住み替えを考えている方にとって、忘れてはならない大事なポイントの一つが「税金」です。
不動産の売買には数千万円といった大きなお金が動きます。
ちょっとした知識の有無が、数百万円規模の損得に直結するケースも少なくありません。
今回は、住み替えで不動産を売却する際に知っておきたい「3,000万円特別控除」について、わかりやすく解説します。
知らないと損をしてしまうかもしれないこの制度、ぜひ一度チェックしてみてください！
不動産売却には「譲渡所得税」がかかる
住んでいた家を売ったとき、「買ったときよりも高く売れた」場合には、「譲渡所得」という利益（売却益）が発生します。
この譲渡所得に対して課税されるのが「譲渡所得税（および住民税）」です。
たとえば、3,000万円で購入したマンションを10年後に4,000万円で売却した場合、売却益は1,000万円ですね。
本来であればこの1,000万円に対して税金がかかります。
しかし！
自宅（マイホーム）であれば、この利益のうち最大3,000万円までを控除できる特例制度があるのです。
それが、今回のテーマである「3,000万円特別控除」です。
「3,000万円特別控除」とは？
「3,000万円特別控除」とは、マイホームを売ったときに発生した譲渡所得から、最大3,000万円を差し引いて課税対象から除外できる制度です。
この制度を活用すれば、たとえば売却益が2,800万円だった場合、その全額が控除対象となり、譲渡所得税は実質ゼロに。
売却益が3,500万円だったとしても、3,000万円を引いた500万円だけが課税対象になります。
住み替えにおいてはこの制度を活用することで、大きな節税が可能です。
※この特例は「マイホーム（居住用財産）」の売却に限って適用される制度です
知らないと適用できない？「6つの適用条件」
この3,000万円特別控除は非常に有利な制度ですが、一定の条件を満たしていないと適用されません。
以下に、国税庁が定める主な条件をわかりやすくまとめました。
【3,000万円特別控除の6つの主な条件】
- 現在住んでいる、または過去に住んでいた自宅の売却であること
例：自宅として住んでいたマンションや一戸建て（土地含む）。 - 住まなくなってから3年以内に売却すること
正確には、「住まなくなった年の翌年1月1日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売却する必要があります。 - この特例を受けることのみを目的として一時的に住んだ家ではないこと
節税目的の“形式的な居住”は対象外です。 - 別荘やセカンドハウスではないこと
あくまで「生活の拠点として実際に住んでいた自宅」が対象です。 - 過去3年以内にこの特例や、他の譲渡所得に関する特例を受けていないこと
一度使ったら、次に使えるのは3年後となります。 - 売却先が親族や関連法人ではないこと
配偶者・親・子・兄弟姉妹など、親族間での売買では適用されません。
上記の条件を満たせば、3,000万円までの売却益は非課税になります。
不動産価格の上昇が続いている現在、「買ったときより高く売れる」という方も多くいらっしゃいます。
とはいえ、売却益が必ず発生するとは限りません。
たとえば、購入時にかかった「仲介手数料」や「リフォーム費用」、「売却時の登記費用」などは譲渡費用として差し引けます。
そのため、実際に利益が出ていても、3,000万円特別控除＋費用控除を適用すると、結果的に課税対象額がゼロになる方も少なくありません。
注意！確定申告を忘れると・・・？
この3,000万円特別控除を使うには、必ず翌年の確定申告が必要です。
確定申告をしなかった場合、自動的には適用されません。
せっかく要件を満たしていても、申告を忘れてしまうと税金が発生してしまうことも…。
申告の際には、以下のような書類を準備する必要があります。
- 譲渡契約書のコピー
- 登記事項証明書
- 購入時の契約書や領収書
- マイナンバーカードや本人確認書類 など
申告の期限は、原則として売却した翌年の2月16日～3月15日までです。
3,000万円特別控除の詳細については、国税庁の公式サイトにも詳しく記載がありますのでよくご確認ください。
初めて見ると少し難しく感じるかもしれませんが、正しく理解すればとても大きなメリットがある制度です。
わからないことがあったら、管轄の税務署に確認してみましょう。
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住み替えは「売って終わり」ではなく、次の暮らしに向けた新しいスタートです。
そして、適切なタイミングで正しい情報を得ることが、住み替えを成功させる最大のポイントになります。
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税金のことや住み替えスケジュールなど、どんなことでもお気軽にお尋ねください。
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